大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和35(オ)1425 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人田畑喜代英、同小林茂実の上告理由第一および上告代理人小坂重吉の

上告理由第一点、第二点について。

原審の認定したところによれば、本件立候補届の受付は、昭和三四年四月八日午

前八時三〇分から開始されることになつており、それまでに出頭した者が二名以上

ある場合はくじで届出受付順位を定めることにしてあり、同日午前八時二五分を過

ぎた頃一候補者につき一人ずつくじを引くために入室させたが、一三名だけ入室し、

候補者D、E、Fの届を持参した者は入室しなかつた、右D、E両候補者の届出代

理者は、当日午前八時三〇分より数分前、係員の抽せん室への入室誘導の時より後

れて指定場所に到着したものと推認できる、そして抽せん室は右八時三〇分まで閉

鎖することなく、未出頭者確認のための措置を講じたが、応答がなかつたため、定

刻に至つて抽せんを開始したというのである。原審の右事実の認定は、挙示の証拠

によつてこれを是認しうる。そして、右のごとき事実関係の下においては、本件立

候補届の受付方法が著しく不公正で選挙の自由公正を害するものということはでき

ない旨を判示した原審の判断は首肯しうる。それ故、原判決には所論の違法は認め

られない。

上告代理人田畑喜与英、同小林茂実の上告理由第二および上告代理人小坂重吉の

上告理由第三点について。

原判決の認定したところによれば、本件選挙においては、議員と知事とで投票用

紙の着色が異り、用紙表面には議員または知事に対する投票用紙であることが明記

され、その投票の順位を告示し、選挙運動期間中も啓蒙宣伝を行い、選挙当日には

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各新聞朝刊その他の報道機関によつて趣旨徹底を図つており、投票用紙交付所にも

いずれの交付所であるかを掲示し投票箱にもいずれの投票箱であるかを大書してあ

つたというのである。右の事実の認定は、挙示の証拠により是認できる。そして、

このような状況の下においては原判示のように、本件入場券の様式、扱い方に、万

全の措置といえなかつた点があつたとしても、これをもつて、選挙の管理執行の手

続に違背するとか、選挙の自由公正を害するものということはできないとした原判

示は正当と認められる。それ故、原判決には所論の違法はない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 高 木 常 七

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